本当にこの窯は、難しいのであります。
普通に考えも、焚くのは無理。
ましてや千二百度というのも、きつい。
そして、焚いても点数が入らない。
歩止まり悪し。
時間がかかる。
割り木の消費が激しい。
気圧に影響を受けやすい。
とにかく、窯での諸悪の根源の塊なのです。
昨年は、追い込まれてしまい、少々自分らしさを失いそうになりましたが、今回はしっかりとゼロ勾配、全地下、点数などを、様々にポジションをとらえました。
絶対に負けたくない状況でもあったので…
でも、寝ずに百時間以上通したおかげで、光が見えました。
誰もいない。
しかし、加茂田章二などがとらわれていった世界観も何かに影も見えた。
私なりの作品の方向も、出来あがった。
ほとんど、酒の切れない日々。
悩むのではなく、いつものように窯に任せて行くという、簡単で最大に精神的な世界を、淘汰した。
島根県で二週間二か所を同時に焚いた時より、ずっと集中し、心を落ち着け、逃げずに焚いた。
窯は、私を待っていた。
私も、窯を待っていた。
相思相愛なのである。
これから、もっと面白い作品が、焼け上がるだろう。
だからこそ、寡黙になり、何を言われても、自らの運命を信じ頑張って来たのであるから・・・
いい窯が出たら、応援してくれている人たちに見てもらいたいものである。
能登からやっと自分の作品が、歩きだせるようになりそうである。
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