半陶 輪島焼 能登ノ國で 土に還る土を探し求める日々

土曜日, 9月 20, 2008

織部賞 中川幸夫 










ずっと、暖めてきたものがある。


華という単純なようで奥深い様々な怪奇な世界。


中川幸夫先生は、本当に観えない尽力をしてきた人なのである。


出会うこと27歳のときだったが、私にとってどれだけ偉大だったかは、まったくといっていいほど何も知らなかったうちに、お会いできた。


求龍堂の太田一貴さんのご紹介によるものだった。


いろんなカタチに対して、私なりに思っていたことがあったが、先生に出会うことによって、まさに決められた方向、運命に向かって走ることになった。


新宿の喫茶タローで待ち合わせをして、お会いした。


この時より、私の人生は逆転的なスパイラルをすることになった。


私の作品について、考え、芸術界の行く先など、本当の沢山の話をしてくれた。


今思えば、なぜ私に?と思っていた自分が、今はよく理解し先生の遺言といえることを、後になって言葉としていただいたことは、運命の雷(いかずち)だった。


夕方遅くになり先生も帰るというので、見送ろうとすると、「君、時間があったら私のお家に来なさいよ」


その簡単なのに、重い言葉になるとは、その当時の私はまったく想像していなかった。


先生とは、今までの出会えた中で、一番不思議な存在になった。


今でもそれは変わらない。

この本も、そのご自宅で先生から二冊もらった。

にこやかにこう話していた。

「織部賞もらったんだよ。私の作品見て、田中一光さんが「これだ!」って言う一言で、満場一致で決めていただいたんだよ」


それから、もう10年が来ようとしている。


中川幸夫先生は、今現在も生きている。

だがしかし、創造者として、華を持って戦う先生はもういない。




先生が私に残してくれた言葉は、今も大事にこの心の奥底に秘めている。

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