





浄土の読経が雨の中に響き渡る。
雨と念仏が重なり合い心に染みわたる。
「南無阿弥陀仏」
今までない事に遭遇している。
唱えることは、まさに生きる縁を変えつつ語り尽くせないページが出来あがっている。
雨の中に線香が立ち込める。
傘から雨粒が滴り落ちる。
跳ねる雨が足を濡らし鈍らす。
灯台から見え海は冬のようでもあった。
昔、稲荷石で見た光景を思い出した。
蚊が私を刺す度に、想いを確かめているようだった。
傘をたたみ足の悪い道を帰る。
黄泉に続くような気がした。
満足と言う新しいカタチを覚えた。
雨は今も降っている。
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